ステントのリスクと注意点
ステントは、閉塞した動脈に挿入される小さな金属メッシュチューブで、再狭窄を防ぎます。冠動脈、頸動脈、腎臓や四肢の動脈など、体のさまざまな部位に設置できます。まず、カテーテルを用いた血管拡張(アンジオプラスティ)で血管を広げ、続いてステントを留置します。ステントは純金属製のものや、近年では薬剤がコーティングされた薬剤溶出ステント(DES)があります。DESは薬剤をゆっくり放出し、再閉塞のリスクを低減します。
手技に伴うリスク
アンジオプラスティ時にカテーテルを血管内に挿入するため、出血や血管損傷のリスクがあります。頸動脈での手技の場合、脳卒中の危険性もあります。ステントの位置決めには造影剤を使用しますが、造影剤に対するアレルギー反応や、腎機能が低下している患者では腎不全を引き起こすことがあります。稀に手技中に不整脈が発生したり、穿刺部位の感染症が起こることもあります。
ステント留置後のリスク
ステント部位で血栓が形成される可能性があり、心筋梗塞や脳卒中を引き起こす恐れがあります。血栓リスクは留置後数か月で低下し、通常は数か月間抗血栓薬を服用します。また、ステントが閉塞したまま再狭窄(再狭窄)することもあります。組織がステント内部に増殖し血管が再び狭くなると、再度の血管形成術が必要になります。
薬剤溶出ステント(DES)のリスク
薬剤溶出ステントは再狭窄リスクを低減し、多くの患者にとって手術回数を減らすメリットがあります。しかし、手術直後にステントを留置した場合、注意が必要です。ステントから放出される薬剤は血小板の働きを抑制するため、術後は抗血小板薬を一定期間服用します。外科手術の前に抗血小板薬を中止すると血栓形成リスクが高まります。そのため、DESの使用は拡大していますが、手術時の抗血小板薬管理が課題となり、議論の対象となっています。
