逆肩関節置換術の合併症

逆肩関節置換術は、肩関節を人工装置で置換し、自然な構造を逆転させて安定性を高め、三角筋が肩を動かすようにする手術です。主に回旋腱板断裂や関節症の高齢患者に行われますが、他の手術と同様にいくつかの合併症が生じることがあります。

感染症

  • 手術後の感染は最も一般的なリスクです。入院中に発症することが多いですが、見逃すと退院後数年後に症状が出ることもあります。全身からの感染が人工関節に及ぶと、免疫系だけでは除去が難しくなります。

骨折

  • 骨密度が低い患者は、骨折のリスクが高まります。手術では上腕骨頭を切除し、ステムを装着するために骨を掘削します。また、肩甲骨のグロノイド面も平坦化しますが、これらの過程で弱い骨が割れることがあります。多くは軽度で、活動制限を守れば自然に治癒します。

脱臼

  • 人工肩関節も脱臼することがあります。術後すぐは組織がまだ安定していないためリスクが高く、数日から数年後に不適切な動作で起こり得ます。理学療法士が安全な動作指導を行います。

神経損傷

  • 肩から腕、手へと走る主要な神経は腋窩部を通ります。そのため手術中に神経が損傷することがありますが、多くは一時的で、時間経過やストレッチにより回復します。

血栓症

  • 上肢手術では血栓ができやすく、血栓が肺へ移動すると肺塞栓症を起こし、胸痛や最悪の場合は致命的です。血栓が疑われる場合は抗凝固薬で予防・治療を行います。

骨吸収(オステオリシス)

  • 人工関節の一部はポリエチレン製で、時間とともに摩耗し微細なプラスチック粒子が体内に放出されます。体はこれらを異物と認識し、骨組織を破壊して除去しようとします。その結果、骨が弱くなり骨折しやすくなることがあります。

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