回旋腱板手術の合併症と対策
回旋腱板(ローテーターカフ)手術は、関節炎や変性疾患に伴う腱板断裂の修復を目的とします。手術方法には開放法、低侵襲法、全関節鏡下法がありますが、いずれも侵襲的手術であるため、合併症のリスクがあります。
手術の種類
すべての手術は断裂修復を目的としますが、アプローチに違いがあります。
開放法
数センチメートルの切開を行い、骨棘や病変骨を除去します。
低侵襲法
3〜5センチメートル程度の小さな切開で、関節鏡(小型カメラ)を用いて肩部の病変を確認し、細い器具で除去します。
全関節鏡下法
外来で行える高度な技術で、数か所の小切開から関節鏡と細い器具を挿入し、骨棘除去や腱の再付着を行います。
神経損傷
肩部は多数の神経が走行しているため、手術中に神経が損傷することがあります。AAOSの報告では約1〜2%の患者で神経障害が起き、特に腋窩神経が最も多く影響します。腋窩神経は三角筋に感覚を供給し、肩の動きに関与します。
感染症
皮膚切開により組織が外部にさらされるため、感染リスクがあります。切開が大きいほど感染の可能性は高くなりますが、手術室での滅菌管理や抗生物質投与によりリスクは低減できます。
三角筋剥離
開放手術特有の合併症で、特に筋肉が発達した男性に起こりやすいです。三角筋が剥がれると機能低下や筋力低下が生じ、再手術が必要になることがあります。
関節硬直
術前に重度の関節炎がある場合、手術後に僅かな硬直が残ることがあります。AAOSによると1%未満の患者で報告されていますが、早期のリハビリテーションにより可動域と機能の回復が期待できます。
