機能的内視鏡下副鼻腔手術のリスクと注意点
慢性的な副鼻腔炎で薬物療法が効果を示さない場合、機能的内視鏡下副鼻腔手術(FESS)が選択肢となります。従来の開放手術に比べ侵襲が少なく、原因を正確に診断・治療できる点が特徴です。手術にはメリットとリスクが伴いますが、重篤な合併症は稀で、一般的なリスクは適切に管理可能です。手術を受ける前に、医師と十分にリスクや予後について話し合いましょう。
事実
鼻づまりや後鼻漏、顔面・頭部の痛みは副鼻腔炎の代表的な症状です。FESS は鼻腔から細い器具を挿入し、痛みを軽減し、排液・換気・呼吸機能を改善することを目的とします。American Family Physician によると、「この手術に最も適した患者は、再発性の急性または慢性副鼻腔炎で、手術後に症状が最大90%改善することが期待できる」とされています。
重要性
FESS は従来の副鼻腔手術に比べ、侵襲が少なく健康な組織を損傷せず、手術時間が短く、出血や瘢痕が最小限に抑えられます。回復には約2か月を要しますが、完全にリスクがないわけではありません。
主なリスク
最も重篤な合併症は視神経損傷による失明です。これは極めて稀ですが、報告されています。また、脳脊髄液漏出も重篤なリスクで、感染経路となり髄膜炎を引き起こす可能性があります。米国のデータでは、脳脊髄液漏出は約0.2%の症例で発生しています。
二次的リスク
出血は最も一般的なリスクですが、FESS では他の手術法に比べ少ないです。手術中に大量出血が起きた場合は手術を中止し、鼻腔を詰めることがあります。手術後も出血や鼻腔充填、入院が必要になることがあります。その他、眼球損傷、上唇の感覚鈍麻、唇・眼周囲の腫脹や打撲などが起こり得ますが、ほとんどは一時的です。
検討事項
副鼻腔症状の重症度と手術リスク・不便さを比較検討してください。FESS は成功率が高いものの、失敗すれば症状が改善しない、あるいは悪化する可能性があります。手術経験が豊富な医師かどうか、年間何件手術を行っているか、手術の具体的な流れ・リスク・回復期間について十分に理解した上で、最終的な判断を行いましょう。
