肥満手術の種類と特徴
肥満治療の一環として行われる減量手術(バリアトリック手術)は、胃の形状や容量を変えることで摂取カロリーを抑えるものです。手術の種類によって適応やリスクが異なるため、医師と十分に相談することが重要です。
胃バイパス(Roux‑en‑Y胃バイパス)
最も一般的な胃バイパス手術はRoux‑en‑Y法で、1つの長い切開で行われます。外科医は胃の上部に小さなポーチを作り、そこを小腸の空腸部に接続します。食べ物は残りの胃をバイパスして直接小腸へ流れ、満腹感が早く得られるため、摂取カロリーが自然に減少します。手術時間は最大4時間程度かかります。
胃バンド(調整可能胃バンド)
シリコン製のインフレータブルバンドを腹腔鏡下で胃上部に巻き付け、食事時にバンド内に生理食塩水を注入して胃口を狭めます。バンドは後から調整可能で、外来でのバンド緩みや締め付けができます。侵襲が少なく、日帰りで行えることが多いのが特徴です。
デュオデナルスイッチ(バイパス・スリーブ手術)
まず胃の約85%を切除し、約180 g(6オンス)程度の細長いスリーブ状の胃を残します。続いて小腸の大部分を切除し、消化・吸収が行われる領域をバイパスします。残った腸管での栄養吸収が制限されるため、体重減少が期待できます。
胃スリーブ手術(袖状胃切除)
肥満度が非常に高く、他の手術がリスクとされる患者に適用されることが多い手術です。腹腔鏡下で胃の半分以上を切除し、残った部分をチューブ状(スリーブ)に縫合します。術後の体重が十分に減少した場合、必要に応じて胃バイパス等の追加手術を検討できます。
胃形成術(胃ステープリング)
1970年代に流行した手術で、胃を縫合・ステープで小さくし、食物流入口を狭めます。後にバンド付き垂直胃形成術(VBG)が登場し、ステープとバンドの併用で小さなポーチを作ります。しかし、長期的に体重が再増するケースが多く、現在では実施頻度が低下しています。
