胎児手術とは何か?

歴史

1960年代に胎児への初めての輸血が行われましたが、胎児手術が本格的に確立されたのは1980年です。カリフォルニア大学サンフランシスコ校で動物実験を経て開発され、1981年に初のヒト胎児手術が実施されました。マイケル・ハリソン医師が先天性腎盂拡張症(腎盂が拡大し尿が流れにくくなる病態)を治療し、赤ちゃんは無事に生存しました。

意義

胎児手術は、出生前に治療できない先天性異常を修正し、数千人もの新生児の命を救ってきました。胎児が出産まで生存できない場合や、出生後に手術が困難になるほど重症の場合に実施されます。手術により胎児は子宮内で成長を続け、出生後の大規模手術に耐えられる状態になります。

機能

先天性異常は妊娠約20週頃の超音波検査で見つかります。異常が出生まで耐えられるか、手術が必要かを医師が判断し、侵襲性の高い手術か低侵襲の手術かを選択します。

種類

胎児手術は大きく3種類に分かれます。

  • 開腹胎児手術(オープン手術):母体の腹部を切開し、胎児を一部取り出して手術を行います。子宮内で胎児は胎盤から酸素供給を受け続けますが、早産リスクが高く、分娩時は帝王切開が必要です。
  • 胎内内視鏡手術(フェテンディ手術):内視鏡カメラと器具を子宮内に挿入し、超音波画像で誘導しながら異常を修正します。侵襲はオープン手術より小さいものの、早産リスクは残ります。
  • 胎児鏡下手術(フェトスコピー):母体の腹部に小さな開口部を作り、子宮壁を切開せずに超音波で位置を確認しながら手術します。最も低侵襲で、早産リスクはほとんどありません。

考慮すべき点

手術を受けるかどうかは、親が多くの要素を検討する必要があります。母体は手術後に不快感やベッドレストが必要になることが多く、他の子どもがいる場合は家族や友人のサポートが不可欠です。また、胎児手術は出生までの一時的な治療であり、出生後に再手術が必要になることがほとんどです。手術が成功しても、出産後に赤ちゃんが生存できないリスクもあります。

注意点・リスク

胎児手術には胎児側のリスクが中心です。過度の出血、感染、早産などが挙げられます。オープン手術の場合、母体は出産時に帝王切開が必須となり、将来の分娩にも影響します。医師から提示される全てのリスクを理解し、疑問点は必ず質問してください。リスクを十分に把握したうえで判断することが重要です。

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