腸骨稜自家移植の技術と注意点

解剖学

腸骨稜は骨盤(骨盤帯)の上部に位置し、丸みを帯びた厚い骨で、融合手術のドナー部位として広く利用されています。手術部位へのアクセスが容易で、回復も比較的順調です。骨移植片は脊椎の二つの椎体間に挿入され、ピンやプレート、スクリューで固定されます。整形外科用の器具で移植片の形状を整え、手術部位に合わせます。

手技

腸骨稜から骨を採取する際の主な危険は、骨切り用のオステオトーム使用による仙腸関節や周囲組織の損傷です。Ebraheim氏の研究では、24例中15例でオステオトーム使用により損傷が確認されました。オステオトームは移植片の強度低下を招く恐れがあります。そのため、オステオトームの代わりに振動鋸の使用が推奨されています(Internet Journal of Orthopedic Surgery)。骨ワックス使用時は会陰部に近いことから感染リスクが高まります。また、腸骨稜周囲の皮膚感覚神経損傷にも注意が必要です。リトラクターや操作時に神経を傷つけないよう十分に配慮します。Duke大学の報告によれば、切開後は大坐骨切痕付近で大臀筋動脈を触診し、止血を確実に行うことが重要です。血管損傷が起きた場合は、近傍の尿管損傷も確認します。

歯槽骨移植

形成外科医は、腸骨稜から採取した骨移植片を小児の口蓋裂(歯槽裂)の修復に利用します。Journal of the American Society of Plastic Surgeons に掲載された研究では、低侵襲手術で骨移植片を採取し、骨粉砕機で最適な粒径に加工する技術が報告されています。

考慮すべき点

患者の回復期間は喫煙、慢性疾患、年齢などの要因で左右されます。主な合併症として腸骨骨折や感染、血栓、出血があります。血栓予防のため、術後はできるだけ早くベッドから起き上がり、歩行をサポートします。

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