部分子宮摘出(部分的子宮摘出術)の概要
概要
部分子宮摘出は、子宮本体だけを取り除く手術で、子宮頸部は残します。卵巣や卵管は通常残されますが、病変や癌がある場合は同時に摘出されることがあります。子宮が無くなるため妊娠はできなくなりますが、ホルモン分泌は卵巣が残っていれば継続されます。
適応症例
子宮筋腫、子宮がん、過度な月経出血、胎盤前置や胎盤早期剥離など、出血が止まらない緊急時に部分子宮摘出が選択されることがあります。特に胎盤が子宮口を覆う胎盤前置や、胎盤が子宮壁から剥がれる胎盤早期剥離は、帝王切開後に大量出血が続く場合に手術が必要になることがあります。
手術方法の種類
- 腹式子宮摘出:下腹部のビキニラインに切開を入れ、子宮を取り除く。
- 経腟子宮摘出:膣上部に切開を作り、子宮を取り除く。
- 腹腔鏡下子宮摘出:小さな切開を数か所入れ、腹腔鏡を用いて子宮を摘出する。
入院期間と回復
手術後の入院は通常2〜5日です。術後は最初の1週間は安静が推奨され、軽度から中等度の痛みが伴うことがあります。痛み止めは退院時に処方されます。完全に回復するまでに4〜6週間程度要します。
卵巣の保存とホルモン管理
可能な限り卵巣は残すことが望ましいです。卵巣はエストロゲンとプロゲステロンを分泌し、骨密度や心血管系の維持に関わります。卵巣が摘出された場合は、ホルモン補充療法が検討されます。
リスクと合併症
手術自体のリスクに加え、骨密度低下による骨折リスクや心血管疾患リスクの増加が報告されています。特に卵巣を全て摘出した場合にリスクが高まりますが、片方の卵巣が残っていればリスクは軽減されます。
術後の影響
ホルモンバランスの変化により一時的に気分の変動やうつ症状が現れることがありますが、ほとんどは短期間で改善します。多くの患者は長期的な副作用なしに回復し、生命を救う手術として重要な役割を果たします。
