自然療法で対処する尿路感染症(UTI)
尿路感染症(UTI)は、腎臓・尿管・膀胱・尿道のいずれかに起こる感染です。自然療法とは、従来の医学と併用、または代替として用いる代替・補完的な手段を指します。軽度のUTIに対し自然療法だけで症状が改善した例も報告されていますが、腎臓への感染拡大を防ぐため、通常は標準治療と併用することが推奨されます。
機能
腎臓・尿管・膀胱・尿道からなる尿路は、血液中の老廃物(尿素)を濾過し、尿として排泄する役割を担います。また、体内のホルモンバランスや体液・電解質の調整も行います。
症状
- 排尿時の痛みや灼熱感
- 頻尿感(尿量は少ないことが多い)
- 尿のにおい、濁り、血尿
- 骨盤部の重さ感、直腸圧、吐き気、背部痛、倦怠感
- 発熱がある場合は腎盂腎炎への進展が疑われます
原因
主な原因は大腸菌(Escherichia coli)などの細菌ですが、ウイルス、酵母真菌、寄生虫でも感染することがあります。尿路は通常ほぼ無菌ですが、以下のような状況で細菌が侵入します。
- 排便後に前から後への不適切な拭き取り
- カテーテルや避妊用ダイヤフラムの使用
- 性交渉
- 糖尿病や免疫抑制状態による感染抵抗力低下
- 閉経後の膣粘膜変化
診断
医師は尿検査(尿沈渣検査)でUTIを診断します。検体は清潔採尿法またはカテーテル採取で得られます。
- 清潔採尿:抗菌パッドで外陰部を清拭し、最初の尿をトイレに流し、途中の尿を容器に採取
- カテーテル採取:直接膀胱にカテーテルを挿入し、尿を採取
検査により感染原因菌と血球の有無が判明し、治療方針が決定されます。
治療
標準治療は抗生物質投与ですが、自然療法を希望する人もいます。自然療法は必ず医師の診断と併用し、腎臓まで感染が広がっている場合は抗生物質が必須です。
- ホメオパシー:カンサリス、サルスィリラ、スタフィサグリアなどを12〜30C、1日3〜4回服用(最低用量から徐々に増量)
- ハーブ療法:ゴールデンシール根、クリーバーズ、ウバウルシ(熊笹葉)を酢浸しやティー、カプセルで摂取。抗菌・抗炎症作用があります。
- クランベリージュース(無糖)を飲むと尿路の洗浄を助け、再発予防にも有効とされています。
- 温坐浴で尿道の痛みや灼熱感を緩和。
- キャスターオイルパックを下腹部に貼り、温熱パッドや湯たんぽで温めると膀胱痛が和らぎます。
予防・対策
- 1日2〜4リットルの水分を摂取し、尿を頻繁に排出する
- 綿素材の下着を着用し、締め付けの強い衣服は避ける
- コーヒーやアルコールなど膀胱刺激性のある飲料は控える
- 膣や肛門周囲に洗浄剤、香料、スプレーを使用しない
- 性行為後は必ず排尿し、尿道に細菌が残らないようにする
- トイレ使用後は前から後への拭き取りを徹底する
留意点
米国では入院患者の感染症の中で最も頻繁に起こるのが尿路感染症で、特にカテーテル使用後に多く見られます。病院内感染対策として、カテーテルの適正管理が重要です。
