灸(もくすい)の副作用と注意点
灸(もくすい)は、薬草を束ねた「もくさ」スティックを燃やし、患者の体の特定のツボに熱を加える治療法です。鍼灸と併用されることが多いですが、いくつかの副作用が報告されています。
流産のリスク
米国がん協会は、灸が妊娠中の女性に流産を引き起こす可能性があると指摘しています。ドイツのハーブ規制機関Commission Eでも安全性が認められておらず、妊娠中の施術は避けるべきです。
呼吸器への影響
灸に使用されるヨモギを燃やすと煙が発生し、喘息や慢性気管支炎など呼吸器疾患を持つ人に刺激を与えることがあります。最近は無煙タイプのもくさスティックが販売されており、代替が可能です。
疲労感・眠気
日本の安全性調査では、灸施術後に疲労感や眠気を訴える人が多く、特に初回の施術で顕著でした。そのため、施術後は自家用車の運転を控え、タクシーや公共交通機関を利用することが推奨されます。
やけど
もくさスティックを皮膚に近づけすぎると、直接的な熱傷を負う危険があります。経験の浅い施術者が行うと起こりやすく、近年は電熱式の灸機器が普及し、やけどリスクが低減されています。
血液媒介感染症
不適切な針の滅菌や使い回しにより、C型肝炎などの血液媒介感染症が懸念されます。米国では鍼灸に使用する針は必ず滅菌済みまたは使い捨てと法的に義務付けられており、信頼できる施術所を選ぶことが重要です。
その他の副作用
筑波大学の6年にわたる臨床調査では、施術者84名が報告した不快感、めまい、吐き気・嘔吐、倦怠感などの症状が多数確認されています。
以上のように、灸は適切に使用すれば有益な治療法ですが、施術者の技術や使用環境により副作用が生じる可能性があります。安全に受けるためには、信頼できる資格保持者に施術を依頼し、事前に体調や既往症を伝えることが大切です。
