スイートガム樹の薬効

はじめに

スイートガム樹は、記録上最も古い植物標本のひとつです。絶滅した個体も多い中、最古のものは約5500万年前とされています。1519年に初めてアメリカ産のスイートガムが記録され、スペイン兵がコルテスとモンテスマの儀式に参加した際、樹液から得られる琥珀色の液体が使用されました。スイートガムは低級材として利用され、植林用の在来樹種としても重要ですが、その薬効は古代から高く評価されています。

製造方法

薬用としては、オリエント種(Liquidambar orientalis)と北米種(Liquidambar styraciflua)が主に利用されます。これらの樹液は「リキッドアンバー(液体琥珀)」と呼ばれます。

若木の内皮に小さな切り込みを入れ、樹液を採取します。樹液は黄褐色で、蜂蜜に似た粘度があり、やがてロジン状に固まります。このロジンを加熱・濾過し、瓶に保存したものがスイートガムロジンです。ロジンはバルサムやチンキに加工され、近年ではアロマテラピーの素材としても利用されています。

医療用途

リキッドアンバーは芳香性のある物質で、バルサムや軟膏に加工すると、皮膚疾患(痔核、白癬、疥癬、凍傷)に使用されます。軽い抗菌作用と抗炎症作用があり、外用薬として有効です。内服用としては、刺激性・去痰作用があり、喉の痛み、咳、風邪、喘息、気管支炎、膀胱炎、膣分泌物、脳卒中、さらには一部のがんに対する効果が期待されています。

ストラックス(樹脂)

スイートガムの幹から採取される芳香樹脂「ストラックス」は、樹皮の凹部に自然に分泌されます。秋に収穫され、収穫前に幹を軽く叩くことで分泌を促進します。主な医療用途は寄生虫除去薬です。ストラックス油は他の成分と混合して、にきびや皮膚潰瘍の治療、収れん剤、乾燥やかゆみのある肌の保湿剤として使用されます。

ハーブ療法 - 関連記事