関節炎に対するキレート療法の概要とリスク
使用目的
関節炎は関節や周囲組織、さらには体内の他の臓器に炎症を起こす疾患で、手首・手・足・膝・肘・首などに硬直や疼痛をもたらします。キレート療法は、体内の有害な重金属や毒素を除去し血流を改善することで、関節炎に伴う症状を軽減できると一部で考えられています。しかし、関節炎に対する効果を裏付ける科学的根拠は現在のところ存在しません。
治療の歴史
キレート療法で主に使用されるEDTA(エチレンジアミン四酢酸)は、1930年代にドイツで開発され、現在は重金属中毒の治療薬として世界中で用いられています。1950年代には、EDTAが体内のカルシウムを除去できるとされ、心臓病や循環器系疾患の治療にも応用できるとの期待がありました。しかし、米国心臓協会やCDCなどの権威ある機関は、重金属中毒以外の疾患に対する有効性を示す信頼できるエビデンスがないと結論付けています。
キレート療法の手順
通常、キレート療法は静脈内に注射する形で行われます。短時間の単回注射や、2〜4時間にわたって複数回に分けて投与する方法があります。標準的なコースは10〜12週間で20回の注射が行われます。経口投与も可能で、初回患者には20〜40回の治療が推奨されます。中には数年にわたり100回以上の治療を勧める医師もいます。また、治療中に失われたミネラルを補うため、高用量のビタミン剤が併用されることが一般的です。
キレート療法の副作用
キレート療法は毒性があり、心拍異常、腎障害、最悪の場合は死に至ることがあります。その他の副作用としては、静脈の腫れ、吐き気、下痢、嘔吐、血圧低下、血中カルシウム濃度低下、骨障害、注射部位の疼痛などが報告されています。腎臓疾患、肝疾患、出血性疾患を持つ方、妊娠中または授乳中の女性は、キレート療法を受けるべきではありません。
