歯科医師が抱える背中の痛みと対策
歯科医師は患者の口腔内で治療を行うため、診療椅子に横たわる姿勢で長時間作業します。その結果、前かがみや体をひねるような不自然な姿勢を取らざるを得ず、背中や首、肩に痛みを抱えることが多くなります。
背中の痛みの種類
歯科医師は、作業中の不自然な姿勢により急性と慢性の背中の痛みの両方に罹りやすくなります。急性の痛みは、症状が3〜6か月未満であり、例えば患者に2時間以上かがむと翌日や数日間続くことがあります。痛みが長引くと慢性化し、数か月以上続く慢性背部痛へと移行します。慢性背部痛は、姿勢が悪い状態で繰り返し治療を行うことで起こり、最終的には診療に支障を来すことがあります。
痛みの部位
歯科医師が最も訴える部位は、首・肩、そして腰部です。患者に長時間向き合うことで、これらの部位に負担が集中します。作業台をやや高めに設定し、体を斜めに保つことで首や背中への負担は軽減されます。また、治療の合間に軽いストレッチを取り入れることも有効です。
痛みが及ぼす影響
背中の痛みがあると、口腔内の狭い部位を観察するために体を曲げる動作が困難になり、治療の精度が低下します。結果として、作業スピードが遅くなり、患者への対応にも影響が出ます。
リスクを減らすための工夫
以下の対策で背中への負担を軽減できます。
- 器具は患者から約20インチ(約50cm)以内に置き、無理な伸びを避ける。
- 長時間の診療はできるだけ分割し、適宜短い休憩を挟んで背中・首・肩をリラックスさせる。
- 背もたれとフットレストが付いた、背骨をしっかりサポートする診療椅子を選ぶ。
痛みのケア方法
慢性背部痛が疑われる場合は、内科医やカイロプラクターの診察を受けましょう。痛みが出た日時や姿勢、作業内容を記録しておくと、医師が原因を特定しやすくなります。回復期には歯科助手に作業を分担してもらい、無理な姿勢を取らないよう配慮してください。
適切な姿勢管理と定期的なケアを取り入れることで、歯科医師は長く健康に診療を続けることができます。
