関節可動域の目標と種類
可動域(Range of Motion)は、関節が動かせる範囲を示す指標です。可動域は角度で測定され、部位ごとに正常範囲は異なります。怪我や手術後に可動域が制限されることがあり、その場合は特定のエクササイズで機能回復を目指します。以下に、代表的な可動域トレーニングの種類と目的を紹介します。
能動的可動域(AROM)
能動的可動域(Active Range of Motion、AROM)は、本人が他者や器具の助けなしに関節を動かせる範囲を指します。各関節の正常なAROM基準は公表されていますが、個人差が大きく、対側の健常関節の測定値を基に目標を設定することが一般的です。手術後などで完全なAROMが得られない場合は、日常生活動作を自立して行える「機能的可動域」を目指します。
能動補助的可動域(AAROM)
能動補助的可動域(Active‑Assisted Range of Motion、AAROM)は、本人の努力に加えて他者や器具の助力を利用して関節を動かす方法です。腕のAAROMは棒やドアプーリー、ベルト、バスタオタルなどで行えます。脚の場合はバスタオル、ベルト、シーツなどが利用できます。訓練を受けた医療従事者や家族がサポートすることも可能です。AAROMの目的は、腱や筋肉に過度な負荷をかけずに可動域を拡大し、将来的に自力で動かせるようにすることです。
受動的可動域(PROM)
受動的可動作(Passive Range of Motion、PROM)は、他者や専用機器(例:連続受動運動装置(CPM))によって関節を動かす方法です。目的は、腱を休ませながら関節の可動性を維持することです。可動性が低下すると関節包が硬くなり、後にAROMが可能になった際に自力で動かすことが困難になります。PROMは医療提供者の指導のもとで実施し、治癒中の組織を傷つけないよう注意が必要です。
抵抗性可動域(RROM)
抵抗性可動域(Resistive Range of Motion、RROM)は、可動域内で外部の負荷を加えて行う運動です。目的は筋力向上です。怪我後は最初は1〜2ポンド(約0.5〜1kg)程度の軽い負荷で開始し、3セット×10回が楽にこなせるようになったら、1ポンドずつ負荷を増やします。
