膝関節置換術後リハビリテーションの理学療法士向けガイド

膝関節置換術後のリハビリテーションでは、大腿四頭筋とハムストリングスを中心に筋力強化とストレッチが重要です。患者が継続的にエクササイズを行うことで回復が促進されます。以下に入院中と外来での具体的なエクササイズ、疼痛管理、アイシング方法を示します。

入院中のエクササイズ

  • 歩行訓練:手術翌日から開始します。滑り止めスリッパを履かせ、腰にベルトを巻いてバランスをサポートしながら、ベッドから車椅子や歩行器へ移動させます。最初の歩行は廊下の半分の長さを往復し、翌日以降は徐々に距離と時間を延ばします。

  • 足関節ポンプ:ベッド上で仰向けに寝た状態で、足先を上に向けて伸ばし、次に足先を下に向けて曲げます。足を上下に動かすことで血栓形成を防止します。

外来でのエクササイズ

膝のストレッチ

  • ハムストリングス伸展:手術側の足首に2ポンド(約0.9kg)のウェイトを装着し、仰向けで足を壁に当てます。お尻を壁にできるだけ近づけてハムストリングスを伸ばし、数秒保持して元に戻す動作を繰り返します。

  • 大腿四頭筋伸展:しっかりとした椅子に座り、足裏を床につけたまま前方に体を倒すと、置換側の膝が軽く曲がります。15秒間保持し、ゆっくり戻す動作を数回繰り返します。

膝の筋力強化

  • ハムストリングス強化:車椅子やキャスター付きの椅子に座り、手術側の脚で床を押しながら部屋の前方へ移動します。部屋の長さに合わせた目標距離を設定し、徐々に距離を伸ばします。

  • 大腿四頭筋強化:仰向けで平らな面に寝転び、タオルを丸めて置換側の膝の下に置きます。大腿四頭筋を締めて膝を下に押し付けるように力を入れ、数秒保持した後にリラックスします。

  • ヒールスライド:背中を床につけて仰向けに寝た状態で、手術側の足のかかとを持ち上げ膝を胸に近づけます。2秒間保持し、ゆっくりと元の位置に戻す動作を5回繰り返します。

疼痛管理(薬剤)

リハビリテーションは術後に痛みを伴うことが多いため、セラピー開始20〜30分前に鎮痛薬を服用させることを推奨します。適切な疼痛コントロールにより、患者はエクササイズに集中しやすくなります。

アイシング

セラピー後は患部を氷で冷やすことで、痛みと炎症を軽減できます。自宅でのホームエクササイズ後にも同様にアイシングを行うよう指導してください。

骨・関節・筋肉 - 関連記事