肩インピンジメント治療ガイド

肩インピンジメントとは、肩甲骨の上部(肩峰)が回旋腱板を圧迫し、炎症や損傷を引き起こす状態です。中年層やスポーツを行う人に多く見られ、肩の痛みの主要な原因となります。治療はできるだけ保存的に行い、休養・運動・薬物療法から必要に応じて手術へと進めます。

肩インピンジメントの理解

回旋腱板は肩関節を安定させ、腕の動きを制御する4つの筋肉と腱の集合体です。肩峰が回旋腱板に擦れると、腱板を保護する滑液包(滑液嚢)や筋肉自体が刺激され、炎症や場合によっては断裂が起こります。主な症状は、腕を伸ばしたり持ち上げる動作時の鋭い痛みや、腕の外側に放散する痛みです。安静時でも鈍い痛みが残ることがあります。

最初の治療選択肢

医師はまず最も侵襲の少ない方法から開始します。まずは活動を制限し、炎症が落ち着くまで休養を取ります。頭上に腕を上げる動作や、症状を悪化させる作業・趣味は一時的に中止します。氷での冷却(1回20分以内、皮膚に直接当てない)も有効です。肩インピンジメントでは関節固定は通常行いません。

NSAID(非ステロイド性抗炎症薬)

炎症を抑えるために、イブプロフェン、アスピリン、ナプロキセンなどの市販NSAIDが処方されることがあります。ただし副作用があるため、使用期間は医師の指示に従い短期間にとどめましょう。

運動療法

痛みが軽減したら、回旋腱板や肩周囲の筋肉を強化するエクササイズを開始します。ストレッチとウェイトトレーニングを組み合わせたプログラムが一般的で、理学療法士の指導のもとで行うことが推奨されます。

ステロイド注射

保存的治療で効果が不十分な場合、プレドニゾンなどのコルチコステロイド注射が行われます。強力な抗炎症作用で短期間の疼痛緩和が期待できますが、頻繁な使用は組織を傷める恐れがあるため、医師が使用回数を管理します。

手術とリハビリテーション

それでも症状が改善しない場合、肩峰の形成物除去や腱板の減圧手術が検討されます。手術後は理学療法によるリハビリテーションで筋力回復と可動域の改善を図ります。

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