菱形筋は上部背部にある大・小の二つの筋肉で、肩甲骨の動きを支えています。この筋肉の腱が炎症を起こすと、菱形筋腱炎(リボイド腱炎)となり、首や肩甲骨周辺に痛みや違和感が現れます。主な治療法は安静、薬物療法、外用剤の使用です。

識別ポイント

小菱形筋の腱は頸椎C7と胸椎T1に付着し、大菱形筋の腱は胸椎T2からT5に付着します。菱形筋は僧帽筋の下、竜骨筋の上に位置するため、頸部・肩部・背部の痛みが混同しやすく、正確な診断が重要です。

重要性

菱形筋は肩甲骨の挙上・内転・固定に関与し、ほぼすべての上肢動作に影響します。そのため、繰り返しの負荷や姿勢の悪さが原因で腱炎を起こしやすく、肩こりや背中の痛みとして現れます。

主な症状

菱形筋腱炎は、肩の外側から背骨にかけての痛みが特徴です。筋肉の緊張や腱の炎症により、圧痛点が3か所程度に集中し、肩を動かすと鋭い痛みが走ります。

治療法の種類

腱炎の基本は「安静」です。痛みが出たら数日間は運動を控え、患部の負担を減らします。加えて、氷で冷やすことで炎症を抑え、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)や鎮痛剤を服用すると症状が緩和します。外用の炎症抑制ジェルやクリームも併用すると効果的です。

リハビリと注意点

炎症と腫れが落ち着いたら、ストレッチや軽い筋力トレーニングで菱形筋の柔軟性と血流を改善します。以下のようなエクササイズが推奨されます。

  • 壁に手をついて上げ下げする肩甲骨リトラクション
  • 腕を前に伸ばし、肩甲骨を引き寄せる動作(Scapular Retraction)
  • 軽いダンベルを使った肩甲骨周囲の筋肉強化

ただし、痛みが再発した場合は無理に続けず、再度安静を取るか医師に相談してください。