尺骨神経圧迫(肘の尺骨トンネル症候群)の治療と対策
尺骨神経が肘の内側にある骨(内側上顆)に圧迫されることで起こる尺骨トンネル症候群は、肘を曲げたときに「うずく」感覚やしびれを伴います。症状が出たら、まずは安静、氷冷、適切な薬物療法、そして肘の曲げ過ぎを防ぐブレースの使用が基本です。重症例では手術が検討されます。
休息と氷の効果
症状がある場合は肘をできるだけ休め、日常動作を見直して尺骨神経への刺激を減らします。氷を20分間、1日数回、肘の後ろに直接当てると血管が収縮し、腫れと痛みが抑えられます。
薬剤とサプリメント
イブプロフェンやナプロキセンなどの非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)は、炎症と痛みを抑える効果があります。症状が強い場合は医師がステロイド(コルチゾン)を処方することもあります。また、ビタミンB6(100 mg)を摂取すると神経の回復を助ける可能性があります。
スプリント・ブレースの利点
肘の過度な屈曲を防ぐために、尺骨トンネル症候群用のブレースやスプリントが推奨されます。30度程度までしか曲げられないように制限し、就寝時にも装着すると神経への圧迫を最小限に抑えられます。
手術の検討事項
保存的治療で改善しない場合、外科的介入が検討されます。内側上顆の削り取りや、尺骨神経を筋肉層の下に移動させる「筋層移行術」などが行われ、神経が骨溝に戻らないようにし血流を改善します。
回復期間
手術を行わない場合の回復期間は個人差がありますが、早期に治療を開始すれば比較的速く改善します。手術後はリハビリテーションが必要で、握力が完全に戻るまで最大5か月、細かな筋力が回復するまでに18か月かかることがあります。
