ヘルニアの治療と手術の流れ
ヘルニアは、臓器や組織が筋肉壁の弱点を通って他の部位に突出する状態で、主に腹部に発生します。多くは症状がなく、合併症が起きるまで気付かれないことが多いですが、血流が遮断されると緊急手術が必要になります。ほぼすべての患者が手術を要します。
ヘルニアの症状
ヘルニアの種類や重症度により症状は異なりますが、以下のような兆候が見られます。
- 鼠径部や腹部に新たなしこりや膨らみができる
- せきやくしゃみでしこりが大きくなる
- 痛みを伴うこともあるが、必ずしも触れると痛いわけではない
- 重症例では吐き気や嘔吐が出ることもある
しこりが触って痛く、皮膚に戻せない場合は速やかに医療機関を受診してください。
診断方法
健康状態が良好であれば、医師が視診・触診だけでヘルニアを診断できることがあります。症状が不明瞭な場合や合併症が疑われる場合は、超音波検査やX線撮影で正確に部位と程度を確認します。
非手術的な対処
ほとんどのヘルニアは手術が必要ですが、健康上のリスクが高く、ヘルニアが軽度の場合は腹部バンドやサポートベルトで症状の進行を抑えることがあります。ただし、ヘルニアは自然に治癒せず、時間とともに大きくなるため、手術が可能な状態になったら早期に手術を受けることが推奨されます。
手術
手術は全身麻酔下で行われ、以下の2つの方法があります。
- 開腹手術(オープン手術):ヘルニア部位に切開を入れ、組織や臓器を元の位置に戻し、筋壁を縫合または合成メッシュで補強します。
- 腹腔鏡手術(ラパロスコピー):小さな切開口からカメラと器具を挿入し、同様にヘルニアを修復します。回復が早いのが特徴です。
回復とアフターケア
開腹手術でも入院は数日、腹腔鏡手術では当日退院が可能なこともあります。完全に回復するまでには通常2〜4週間かかります。
- 術後2か月間は重いものを持ち上げたり、強い腹圧をかける動作は避けてください。ヘルニア修復が破れる恐れがあります。
- 手術後約1週間は入浴を控えるよう指示されます。水に濡れると創部が弱くなり、縫合が開く可能性があります。
医師の指示に従い、適切なリハビリと生活習慣の見直しを行うことで、再発リスクを低減できます。
