伸筋腱の損傷と対処法
概要
人間の手は27本の骨とほぼ同数の筋肉で構成されていますが、伸筋腱がなければ指や親指を伸ばすことはできません。伸筋腱の軽い損傷でも手の器用さが著しく低下し、放置すると症状が悪化します。
事実
- 伸筋腱は手と指の背側に走り、前腕の筋肉から伸びています。指や親指を伸ばす役割を担い、周囲の筋肉と連動して繊細な動きを可能にします。
症状
- 指や親指が伸びにくくなり、自然に垂れ下がります。伸ばそうとすると痛みが生じます。
原因
- 伸筋腱は手背側に露出しているため、外傷に弱いです。小さな切り傷でも深刻な損傷を起こすことがあります。指を強く挟むことで腱が裂けたり、骨から離れたりします。
タイプ
- 腱損傷で指先関節が下がる状態は「マレット指」と呼ばれます。中間関節が下がる場合は「ブートニエ変形」と呼ばれます。
治療法
- 早期治療が重要です。放置すると瘢痕組織が骨に付着し、指の伸展がさらに困難になります。
- 切創が原因の場合は縫合が必要です。指を挟んで裂傷した場合は、伸筋腱を固定するスプリントで治療します。重症例では骨にピンを入れ、スプリントで固定します。
- 治癒期間は通常4〜8週間ですが、部位や損傷の程度により変わります。手術が必要な場合、完全な筋力回復まで約3か月、日常動作の正常化には最大6か月かかります。
- 手術後は理学療法が不可欠です。腱が周囲組織にくっつかないよう適切に動かす必要がありますが、過度な運動は修復を破壊する恐れがあります。専門のハンドセラピストによる指導が推奨されます。
