腱症(腱障害)の治療法
腱は筋肉と骨をつなぐ繊維組織で、筋肉が骨を引っ張ることで動きを制御します。腱症(腱障害)は、腱炎での炎症が治まった後にコラーゲンが分解され始める状態で、手首・アキレス腱・膝蓋腱・ローテーターカフなどさまざまな部位で起こります。適切な治療により痛みを和らげ、日常生活を快適に取り戻すことが可能です。
腱症と腱炎の違い
腱炎は微細な裂傷の治癒過程で炎症が起こり、血流と腫れが新しい細胞の形成を促します。一方、腱症では炎症が低下または欠如し、体はコラーゲンを速く分解してしまいます。そのため、腱症の治療は炎症の抑制ではなく、コラーゲン分解の進行を止めることが重要です。
増殖療法(プロロセラピー)
増殖療法は、デキストロースやフェノールなどの刺激剤を腱に注射し、炎症と血流を誘発させて自然治癒を促す整形外科的手技です。新しい血管が形成され、腱が強化されます。Healthy Back Institute の報告によると、治療後の腱は最大40%強くなることがあります。効果を得るには数回の注射が必要です。
理学療法
関節周囲の筋肉を強化することで腱の安定性が向上します。腱症に詳しい理学療法士を受診し、適切なエクササイズプログラムを作成してもらいましょう。米国理学療法協会(APTA)や整形外科医の紹介が有効です。
手術療法
腱症に対する手術は複数あり、例えば腱鞘を切開し縦方向に切り込みを入れて自然治癒を促す方法や、損傷した腱部分を除去し他部位の腱で再建する方法があります。また、損傷部だけを除去するデブリード手術もあります。多くは日帰り手術で実施可能です。
