骨盤底機能障害の治療

骨盤底機能障害(PFD)は、排便時に骨盤底筋が弛緩せずに収縮してしまう状態です。その結果、正常な排便が困難になり、場合によっては残便が直腸から漏れ出す失禁が起こります。原因は身体的要因と心理的要因の両方が関与し、治療法は理学療法、食事療法、薬物療法、外科手術などがあります。

理学療法

  • 診断後は、骨盤底筋の再訓練が中心となります。以下のような理学療法が行われます。

    マニュアルセラピー

    専門の理学療法士が、直腸や膣内にプローブを挿入し、筋肉を直接マッサージします。筋肉のトリガーポイント(収縮点)を確認し、圧迫で解除します。内部が不快な場合は、外部からのマッサージも行います。短期的には違和感が増すことがありますが、1〜2か月の週1回の施術で改善が期待できます。

    バイオフィードバック

    骨盤底筋が排便時にどのように動くかを感覚的に学習させるために使用します。膣または直腸にプローブを挿入し、筋肉の動きを音声や映像でフィードバックします。また、会陰部や仙骨に電極を装着し、同様の情報を提供する方法もあります。これにより、筋肉の適切なリラックス方法を習得できます。さらに、直腸に小さなバルーンを挿入し、排出する練習を行うこともあります。バイオフィードバックは約75%の患者で有効とされています。

    電気刺激

    小型プローブを直腸または膣内に挿入し、電流で筋肉を刺激します。外部電極を用いて筋肉の痙攣を和らげる方法もあります。

    自宅でのエクササイズ

    治療の進行を早めるため、理学療法士から自宅で行うエクササイズが指導されます。主な内容は、脚や背中のストレッチ、ケーゲル運動、全身のリラックス、イメージトレーニング、姿勢矯正などです。詳細は担当の理学療法士に確認してください。

食事療法と薬物療法

  • 便秘が強い場合は、食物繊維を多く含む食事が有効です。医師は便を柔らかくする下剤の使用も勧めることがあります。また、理学療法の効果を高めるために、低用量の筋弛緩薬が処方されることがあります。

外科的治療

  • 他の治療で症状が改善しない場合、手術が検討されます。特に、直腸脱(直腸が折りたたまれる)や直腸膣瘤(直腸膣瘤)などの異常が認められると手術が推奨されます。医師は具体的な手術方法とリスクについて説明します。

骨・関節・筋肉 - 関連記事