DBS(深部脳刺激)によるパーキンソン病のうつ症状緩和
パーキンソン病は、脳内のドーパミンを生成する神経細胞が徐々に失われることで、運動障害や感情の不安定さを引き起こす疾患です。発症は主に40代〜50代ですが、30代で診断されるケースもあります。米国では約150万人が罹患しており、毎年約6万人が新たに診断されています。
深部脳刺激(DBS)とは
2002年に米国食品医薬品局(FDA)の承認を受けた深部脳刺激(Deep Brain Stimulation、DBS)は、脳の運動制御領域に電極を埋め込み、微弱な電流で異常な信号を抑制する治療法です。手術は2段階で行われます。
① まずCTやMRIで対象部位をマッピングし、局所麻酔なしで位置情報を取得します。
② 次に全身麻酔下で電極を脳に埋め込み、胸部に埋め込むインパルスジェネレータ(パルス装置)と接続します。
インパルスジェネレータ
インパルスジェネレータは心臓のペースメーカーと同様の装置で、胸部皮下に埋め込みます。医師は外部のプログラマで電流の強さやパターンを調整でき、病状の進行に合わせて設定を変更できます。
うつ症状への効果
パーキンソン病患者の中で重度のうつ病を併発するケースは少なくありません。従来、電気刺激はうつ病の最終手段とされてきましたが、DBSは長期的に症状を改善する有望な選択肢とされています。DBSを受けた患者は、運動症状だけでなく精神的な苦痛も軽減し、生活の質が大幅に向上することが報告されています。
他の治療法との比較
薬物療法も多数存在しますが、時間とともに薬への耐性が生じ、効果が薄れることがあります。その結果、手術やDBSが最後の選択肢となるケースが増えています。DBSは「最後の手段」ながら、成功率が高く、多くの患者にとって命を救う治療と評価されています。
