発明者

アンソン・ハーバート・クレメンス(通称トム)は、1968年に最初の血糖測定器を発明し、1971年に特許を取得しました。インディアナ州エルハートにある老舗の医薬品会社マイルズ・ラボラトリーズに権利を譲渡し、同社は後にバイエルに買収されました。マイルズは特許をエイムズ社にライセンスし、エイムズは「Ames Reflectance Meter(ARM)」として製品化しました。

発明の仕組み

当時の測定器はエイムズ社製の紙ストリップ「Dextrostix」を使用しました。血液をストリップに滴下し、1分間放置した後に流水で洗浄すると、血液の存在でストリップが青く変色します。変色したストリップを測定器に挿入すると、内部の読取装置が色の濃淡を色見本と比較し、血糖値のレベルを示しました。

初期の導入例

本来は医師の診療室での使用を想定していましたが、最初に実用されたのは病院の現場です。医師や看護師はこの測定器を用いて、意識不明の患者がインスリン欠乏による低血糖か、酔いによる失神かを迅速に判断しました。

最初の家庭使用者

リチャード・K・バーンスタイン氏は1型糖尿病を抱えるエンジニアで、血糖管理の改善に取り組んでいました。1969年に「Lab World」誌でARMの広告を見つけ、医師である妻に注文させました。650ドルという高価な機器でしたが、日々の血糖変動を自ら測定し、インスリン投与量と食事を調整することで血糖の変動幅を縮小しました。この経験が、個別化された血糖管理の先駆けとなりました。

進化と現在

当初は約1.4kg(3ポンド)と重かった装置でしたが、数十年にわたる技術革新により、現在では約45g(1.5オンス)の携帯型血糖測定器が市販されています。ドラッグストアで数ドルで購入でき、糖尿病患者は自宅で手軽に血糖を測定し、食事やインスリン治療を自己管理できるようになりました。