なぜインスリンポンプが必要なのか?
インスリンは膵臓で分泌されるホルモンで、摂取した食べ物を体が利用できるエネルギーに変換する役割を担います。米国糖尿病協会(ADA)によると、糖尿病は体内でインスリンが十分に産生されない、あるいは産生されたインスリンが適切に働かない状態です。インスリンが不足している人は、定期的にインスリンを補充する必要があります。従来は1日数回の注射が主流でしたが、現在はインスリンポンプという選択肢があります。
インスリンポンプとは
インスリンポンプは、サイズがポケットベル程度のコンピュータ化された装置で、少量のインスリンを継続的に皮下に投与します。多くのポンプはベルトやポケット、下着に装着でき、チューブで皮膚に挿入したカテーテル(通常は腹部)と接続されます。チューブレス型のポンプもあり、小型のポッドが皮膚に貼り付けられ、そこからカニュラを通じてインスリンが供給されます。
インスリンポンプの仕組み
ポンプは、基礎インスリン量(ベーサル)と食事時や血糖測定後に追加投与するインスリン量(ボロス)をユーザーが設定できます。従来型は本体のボタンで設定し、チューブレス型はPDAのようなワイヤレスデバイスで操作します。インスリンは自動的に供給されますが、数日ごとにリザーバーやポッドにインスリンを補充し、チューブやカニュラは2~3日ごとに交換する必要があります。
インスリンポンプを使用する理由
米国国立衛生研究所(NIH)は、血糖コントロールが長期的な健康に不可欠であると指摘しています。血糖が高すぎると心血管疾患などのリスクが増し、低すぎるとめまいや失神を引き起こします。ポンプはインスリン注射のピークと谷を平滑化し、安定した基礎血糖を維持するのに役立ちます。
メリット
- 血糖コントロールが向上し、柔軟な生活が可能になる。
- 毎日の注射が不要になるため、注射部位の痛みや感染リスクが減少。
- 低血糖の頻度が低減し、運動時に大量の炭水化物を摂取せずに済む。
注意点
インスリンポンプは機器費用が高く、保険適用が限られることがあります。平均的な本体価格は約6,000米ドルで、月々のインスリンやカートリッジ費用は250~500米ドルです。また、装着感が不快と感じる人や、機器操作に慣れるまで時間がかかる人もいます。使用開始には入院や外来教育が必要になる場合があります。
