血糖値が低下したとき、体はどのように反応するか?
血糖値低下(低血糖)への体の反応
血糖値が低下すると、体はさまざまなホルモンや神経系の働きを通じて血糖を正常範囲に戻そうとします。以下に主なメカニズムを紹介します。
1. グルカゴンの分泌
血糖が下がると膵臓からグルカゴンが放出され、肝臓に貯蔵されたグリコーゲンを分解して糖(グルコース)を血中に放出させます(糖原分解)。
2. インスリン分泌の抑制
血糖が低い状態では膵臓はインスリンの分泌を減少させます。インスリンは血糖を下げる作用があるため、その抑制により細胞への糖取り込みが抑えられ、血中の糖が温存されます。
3. アドレナリン(エピネフリン)の放出
副腎からアドレナリンが分泌され、肝臓や骨格筋の糖原分解を促進し、脂肪細胞からの脂肪酸放出(リポリシス)も促します。これにより急速に血糖が上昇します。
4. 肝臓での糖新生・糖原分解の増加
肝臓は低血糖時に糖新生(アミノ酸やグリセロールなど非炭水化物からのグルコース生成)と糖原分解を活発に行い、血糖供給を補います。
5. 交感神経系の活性化
低血糖は交感神経を刺激し、心拍数増加、発汗、手の震え、不安感、空腹感などの症状を引き起こします。これらは低血糖を自覚させ、対処を促すサインです。
6. 末梢組織での糖取り込み抑制
筋肉や脂肪組織などの末梢組織は糖の取り込みを抑え、脳や心臓といった重要臓器へ糖を優先的に供給します。
7. ケトーシスとケトン体の利用
長時間の低血糖や重度の低血糖では、体は脂肪酸を分解してケトン体を生成し、脳などが代替エネルギーとして利用します。
これらの反応はホルモンと代謝経路が緊密に連携して調節されており、血糖を狭い範囲に保つことで全身の機能を維持します。
