安静時スプリントで手の変形は防げるか?臨床研究のまとめ

1991年7月の研究

スウェーデン・ルンド大学病院リウマチ科で実施されたこの研究では、7名の患者が17か月間、夜間に安静時スプリントを装着しました。スプリントは毎晩同じ手に装着し、もう一方の手を対照としました。スプリント使用手は可動域と握力が改善し、疼痛も軽減したと報告されましたが、変形の進行抑制は認められませんでした。結論として、安静時スプリントは手の変形予防には効果がないとされました。

2003年1月の研究

コクランレビューとしてまとめられたこの研究(Egan M. ら、2003年)でも、作業用スプリントと安静時スプリントの比較で有意差は見られませんでした。疼痛、握力、Ritchie指数、腫脹関節数いずれも改善が認められず、変形予防効果は示されませんでした。

2008年8月の研究

J. Adams らが行った「早期リウマチ性関節炎における静的安静スプリントの臨床効果:ランダム化比較試験」では、120名を対象にスプリント+作業療法群と作業療法のみの対照群に分けました。最終的に解析できたのはスプリント群56名、対照群60名でしたが、変形の予防は認められず、疼痛緩和や握力・可動域の改善も差がありませんでした。結論として、早期治療や変形予防の目的での安静時スプリント使用は推奨されません。

考察

複数の研究結果は概ね一致しており、安静時スプリントは手の変形予防に効果がないと結論付けられています。一部の研究では疼痛軽減や、パッド入りの手首スプリントが好まれるといった報告もありますが、変形自体の抑制には至っていません。そのため、変形予防を目的とした安静時スプリントの使用は推奨されません。

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