双極性障害と併存障害
考慮すべき点
双極性障害は気分の変動が極端であるため、併存する障害の診断が難しいことがあります。うつエピソードが主な人もいれば、躁エピソードが主な人もいるため、双極性障害が他の障害に隠れたり、逆に他の障害が見逃されたりしやすいです。
精神疾患との併存
双極性障害と最も頻繁に併存する精神疾患は以下の5つです。
- 不安障害
- うつ病
- 注意欠陥・多動性障害(ADHD)
- 物質使用障害
- 外傷後ストレス障害(PTSD)
躁エピソードは衝動性や思考の歪みを引き起こし、危険な行動につながります。その結果、トラウマ体験が生じ、PTSDを発症することがあります。
身体的健康問題
双極性障害は以下の身体疾患とも関連が指摘されています。
- 甲状腺機能異常によるホルモン分泌の変化が気分変動に影響する可能性
- 心血管疾患
- 肥満
- 糖尿病
- 片頭痛
これらの疾患は、双極性障害の脳内メカニズムと共通の要因があるかもしれませんが、うつや躁のエピソード時に自己管理が不十分になることも要因の一つです。
診断のポイント
家族歴は重要な手がかりです。うつ、不安、ADHD、物質使用障害は遺伝的要素が強いとされています。また、症状の経過を観察し、外的ストレスで発症するかどうかを判断することも有用です。双極性障害は外部の出来事に関係なく変動しやすいのが特徴です。
予防・対策
精神保健の専門家による包括的な評価が、双極性障害と併存障害の有無を正確に把握し、適切な治療を行う鍵です。併存障害を見落とすと、治療が逆効果になることがあります。例えば、双極性障害単独の薬がADHDや不安を悪化させたり、抗うつ薬が躁状態を誘発したりすることがあります。
