フックワーム感染症とは
フックワーム感染は寄生虫疾患の一つで、主にアンキロストマ・デュオデナレとネカトル・アメリカヌスの2種が原因となります。米国疾病管理予防センター(CDC)によると、2002年時点で世界約13億人がフックワームに感染していると推定されています。フックワームは人から人への直接感染ではなく、環境を介した感染が主です。
感染経路
フックワームは熱帯・亜熱帯の温暖な地域で繁殖しやすく、米国南部でもまれに報告されています。感染者の糞便中に排出された卵は、衛生状態の悪い土壌に付着すると孵化し、1〜3日で幼虫になります。裸足で汚れた土壌に触れると、幼虫が皮膚を貫通し体内に侵入します。
フックワームの生活史
皮膚から侵入した幼虫はリンパ系または血流を通じて肺へ移動し、呼吸器を経由して咳とともに喉へ上がります。そこから飲み込まれ腸へ到達し、成虫へと成長します。成虫は腸壁に付着し、抗凝固物質を分泌して宿主の血液を吸引します。雌虫は卵を産み、糞便とともに体外へ排出されます。
主な症状
感染の程度により症状は異なります。軽度の場合は無症状ですが、幼虫が皮膚に侵入した際には発疹が現れます。肺に到達すると咳や発熱が起こり、腸内で成虫が活動すると腹痛、下痢、貧血などがみられます。
診断と治療
診断は糞便検査で卵の有無を確認することで行います。陽性と判明した場合は経口抗寄生虫薬で治療します。主な薬剤はアルベンダゾール、メベンダゾール、ピラントエル・パモエートです。副作用は少なく安全性は高いですが、妊娠中の女性には使用が制限されることがあります。
放置した場合の危険性
治療は比較的容易ですが、放置すると深刻な健康問題を引き起こすことがあります。特に子供が慢性的に感染すると血液喪失によりタンパク質欠乏や貧血が進行し、身体的・精神的発達に影響を及ぼします。重度の感染は心不全を招く恐れもあります。
