冠動脈疾患(動脈硬化性心臓病)

動脈硬化性心臓病(冠動脈疾患)は、心臓に酸素を供給する冠動脈にプラークが蓄積し、血流が阻害されることで起こります。プラークが進行すると心筋が弱くなり、心不全や不整脈などの重篤な状態につながります。米国国立衛生研究所(NIH)によれば、冠動脈疾患は最も一般的な心臓病であり、男女とも死亡原因の第1位です。

リスク要因

  • 喫煙:血管を収縮・損傷し、組織への酸素供給を妨げます。
  • 血中コレステロール異常:LDL(悪玉)コレステロールが高く、HDL(善玉)が低いとリスクが増大します。
  • 高血圧:血管壁に負荷がかかり、プラーク形成を促進します。
  • 糖尿病・インスリン抵抗性:血糖コントロール不良が血管障害を引き起こします。
  • 肥満・過体重:代謝異常が動脈硬化を進行させます。
  • 家族歴・加齢・運動不足:遺伝的要因や生活習慣も重要です。

症状

  • 胸部の圧迫感・締め付け感(狭心症)。胸骨の裏側や肩、顎、首、腕、背中に放散することがあります。
  • 息切れ:軽い運動でも息が上がることがあります。
  • 症状が出ない場合もあり、心筋梗塞が初症状になることがあります。

合併症

  • 心筋梗塞:血栓が冠動脈を閉塞します。
  • 脳卒中:脳への血流が不足します。
  • 動脈瘤:血管壁が弱くなり破裂すると内部出血を起こします。
  • 末梢動脈疾患:手足への血流不足が生じます。
  • 突然死:致死的な心室細動や心停止が起こります。

治療

早期治療は心筋のさらなる損傷や死亡リスクを低減します。主な目的は症状緩和、プラーク除去または進行抑制、血栓予防、血流再建です。

  • 血管形成術(アンジオプラスティ):バルーンで狭くなった冠動脈を拡張し、血流を回復させます。
  • 冠動脈バイパス術(CABG):他部位の血管を用いて閉塞部を迂回し、血流を確保します。
  • 薬物療法:血圧降下薬、スタチン系コレステロール低下薬、抗血小板薬などを組み合わせ、血栓・心筋梗塞リスクを減少させます。
  • 生活習慣改善:禁煙、体重管理、定期的な運動が回復を支えます。

予防・対策

  • 家族歴や既往歴を医師に伝える。
  • 禁煙:タバコに含まれる約5,000種の有害物質が心臓にダメージを与えます。
  • 定期的な運動(週5〜7回、30〜60分)を実践する。
  • 飽和脂肪酸・コレステロールの多い食品を控え、オメガ3脂肪酸を豊富に含む食事を心がける。
  • 5年ごとにコレステロール、2年ごとに血圧を測定し、異常があれば早期に対処する。
  • 胸痛や息切れなどの症状が現れたら速やかに医療機関を受診する。

冠動脈疾患は予防と早期治療が鍵です。日常の健康管理でリスクを低減しましょう。

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