心房中隔欠損(ASD)の概要と治療法
心房中隔欠損とは?症状は?
心房中隔欠損(ASD)は、心臓の上部にある左右の心房を分ける中隔に穴が開いた先天性の異常です。ダウン症候群の家族歴や、妊娠中の風疹感染、糖尿病のコントロール不良、アルコールや薬物使用などがリスク要因とされています。
多くの場合、定期健診で心雑音が聞かれたことがきっかけで発見されます。小さな欠損は症状がほとんどありませんが、大きな欠損は息切れ、倦怠感、足や足首のむくみ、動悸、頻繁な肺感染症などが現れます。
診断と治療の流れ
心雑音が疑われると、心エコー、胸部X線、心電図、心カテーテル検査などで詳細に評価します。
欠損の大きさに応じて治療方針が決まります。小~中程度の欠損は自然閉鎖することが多く、約50%が治療なしで閉鎖し、うち20%は生後1年以内に閉鎖します。
薬物療法としては、心拍数やリズムを整えるベータ遮断薬(例:ロプレッソ)や、体液貯留を抑える利尿剤(例:ラシックス)、血栓予防の抗凝固薬(例:クマディン)などが用いられます。
大きな欠損は手術が必要です。手術には主に2つの方法があります。
- カテーテルを用いた経皮的閉鎖:大腿部の血管からカテーテルを挿入し、心臓まで導いてデバイスで欠損を閉じます。
- 開心術:胸を開いて直接欠損部を縫合またはパッチで覆います。
手術の成功率は高く、シンシナティ小児心臓研究所によると、99%以上の手術で欠損が完全に閉鎖されています。
