胃酸逆流(GERD)の予後と対策
胃酸逆流症(GERD)は放置すると食道粘膜が侵食され、食道炎(EE)へと進行します。胸やけや苦い味、嚥下困難に加え、胃部不快感、胸痛、咳、声がれなど多様な症状が現れます。
下部食道括約筋(LES)
下部食道括約筋は食道と胃の境界にある弁の役割を果たします。正常に機能すれば食べ物は胃へと流れ、胃酸や内容物が食道へ逆流するのを防ぎます。LESが緩むと逆流が起こります。
食道への損傷
逆流が続くと食道粘膜が侵食され、食道炎(EE)となります。出血、瘢痕、嚥下障害など深刻な合併症を引き起こす可能性がありますが、適切な治療で損傷は回復可能です。軽度の胸やけでも食道にダメージがあることがあります。
食事が引き起こす刺激
辛いもの、揚げ物、脂肪分の多い食品、トマト製品、柑橘系果汁、玉ねぎ、にんにく、チョコレート、ミントなどは胸やけを誘発しやすいです。また、コーヒーや紅茶、アルコール、炭酸飲料も同様です。
その他の要因
肥満、喫煙、ストレス、過食、腹部を圧迫する服装なども胸やけの原因となります。生活習慣を見直すことで薬に頼らず症状を軽減できることがあります。食事・生活改善を行っても週2回以上胸やけが続く場合は、GERDの可能性があります。
治療法
治療にはいくつかの選択肢があります。市販の制酸薬は一時的に胃酸を中和し、軽い胸やけに有効です。H2受容体拮抗薬は胃酸分泌を抑制し、食道の修復を助けます。プロトンポンプ阻害薬(PPI)は最も効果的で、胃酸産生を強力に抑え、長期的な症状緩和と粘膜治癒を促します。いずれの薬も医師と相談の上、適切なものを選びましょう。
