上昇した肺ウエッジ圧(PCWP)は何を示すのか

肺ウエッジ圧(PCWP)とは

肺ウエッジ圧(Pulmonary Capillary Wedge Pressure、PCWP)は肺循環内の圧力を示す指標で、心臓の左側の機能や血液量の変化を反映します。PCWP が上昇すると、肺血管系に過度の負荷がかかっていることを示し、以下のような基礎疾患が疑われます。

主な原因

1. 左心不全

左心室の収縮能が低下すると、肺循環に血液が滞留し、肺動脈・毛細血管の圧力が上がります。特に左室機能不全が顕著な場合にPCWP が上昇しやすいです。

2. 弁膜症

僧帽弁狭窄や大動脈弁狭窄など、血流を妨げる弁膜症は肺ウエッジ圧を上げます。僧帽弁狭窄は左心房から左心室への血流を直接阻害し、肺循環圧を上昇させます。一方、大動脈弁狭窄は左心室の負荷を増大させ、間接的に肺圧を上げます。

3. 心筋梗塞

心筋梗塞により左心室の筋力が低下すると、ポンプ機能が損なわれ、肺循環に鬱血が生じ、PCWP が上昇します。

4. 体液過剰

心不全、腎不全、利尿薬抵抗性などで体内に余分な水分が溜まると、血管内容量が増大し、肺血管の圧力が上がります。

5. 肺血栓塞栓症(PE)

肺動脈やその分枝が血栓で閉塞すると、血流抵抗が増し、肺ウエッジ圧が上昇します。

測定方法と診断への活用

PCWP は主に心臓カテーテル検査で、右心室から肺動脈へカテーテルを挿入し、肺毛細血管楔入圧を測定します。PCWP の上昇は他の臨床所見や画像検査と併せて評価し、原因疾患の診断・治療方針の決定に役立ちます。

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