低血糖(ハイポグリセミア)とは何か

低血糖(ハイポグリセミア)とは、血液中のブドウ糖濃度が正常範囲より低くなる状態を指します。ブドウ糖は体の主要なエネルギー源であり、その供給が不足すると脳や身体の機能に支障が出ます。

基礎知識

血糖が高いと膵臓はインスリンを分泌し、余分なブドウ糖を細胞に取り込ませます。一方、血糖が低下すると脳はアドレナリンの分泌を促し、肝臓に蓄えられた糖をブドウ糖に変換して放出させます。この調整機構がうまく働かないと血糖が低いままになり、脳の機能が低下します。

低血糖のタイプ

大きく分けて「薬剤関連」と「非薬剤関連」の2種類があります。

  • 薬剤関連低血糖:主にインスリン依存性糖尿病患者が過剰なインスリン投与を受けた場合に起こります。インスリン過剰により血糖が急激に低下します。その他の薬剤(例:スルホニル尿素系)でも同様の症状が現れることがあります。
  • 非薬剤関連低血糖
    • 空腹性低血糖:食事を取らない時間が長くなると血糖が低下します。
    • 反応性低血糖:炭水化物摂取後にインスリンが過剰に分泌されることで起こります。子供や乳児ではフルクトース、ガラクトース、ロイシンなどが原因となり得ます。
    • 内分泌・臓器疾患性:肝臓、下垂体、副腎の機能障害や膵臓腫瘍(インスリン産生腫瘍)により低血糖が生じます。

低血糖の診断方法

血糖耐糖試験(グルコーストレランステスト)で診断します。空腹状態で血液を採取し、一定量のブドウ糖を摂取させた後、一定時間ごとに血糖値を測定します。正常な血糖値は 80〜100 mg/dL(100 cc の血液中)です。

低血糖は「軽度」「中等度」「重度」の3段階に分類され、診断後は身体検査や既往歴、追加検査で原因を特定します。

症状とリスク

低血糖の主な症状は、動悸、胸痛、息切れ、発汗、失神、不安感、吐き気などです。脳へのブドウ糖供給が不足すると、めまい、脱力、倦怠感、混乱、頭痛、言語障害、視覚障害が現れ、酔っ払ったように見えることもあります。重症例では痙攣、昏睡、脳障害に至る危険があります。

予防と対策

低血糖予防の基本は、食事の質と回数を調整することです。

  • 精製糖や高炭水化物の食品は控えめに。
  • カフェインは血糖変動を助長するため、過剰摂取は避ける。
  • 1日数回に分けて少量の食事を摂り、血糖の急激な上下を防ぐ。
  • タンパク質中心で炭水化物を抑えた食事が推奨されます。

症状が現れたら、速やかにブドウ糖を含む飲料や食べ物(例:ブドウ糖タブレット、フルーツジュース)で血糖を上げ、必要に応じて医療機関を受診してください。

低血糖 - 関連記事