ハンチントン病の検出方法と診断手順
ハンチントン病(HD)は遺伝性の神経変性疾患で、脳細胞が徐々に失われます。まず脳の中心部にある基底核が障害され、運動の調整が乱れるため不随意運動や動きの制御不全が現れます。また、イライラや情緒不安定といった精神症状も伴います。病が進行し大脳皮質が侵されると認知機能が低下し、最終的には死亡に至ります。
無症状検査は可能か?
ハンチントン病は常染色体優性遺伝で、HD遺伝子は染色体4に位置します。患者の子どもは50%の確率で同じ遺伝子を受け継ぎます。血縁者であれば、症状が現れる前に遺伝子検査で有無を確認することが可能です。
無症状検査の実施方法
血液サンプルを用いた遺伝子検査により、症状が出る前でもHD遺伝子の有無を調べられます。検査を受けるかどうかは本人の判断に委ねられますが、検査前後のカウンセリングが推奨されます。検査結果は機密保持され、未成年者への検査は原則として推奨されません。妊娠前に検査を行うことで、将来の子どもに遺伝子が伝わるかを事前に判断でき、妊娠・出産に関する重要な意思決定の材料となります。出生前診断(胎児の遺伝子検査)も利用可能です。
症状に基づく診断
初期症状としては、軽いチックや痙攣、説明しにくい気分変動、イライラ、うつ、動作の不器用さ、言語の遅延やろれつが回らないことが挙げられます。これらは脳細胞が徐々に劣化しているサインです。身体的・神経学的検査で異常が認められ、家族歴が明らかな場合は確定的な遺伝子検査が行われます。
家族歴が不明な場合の検査
症状はあるが家族歴が把握できない場合、血液からHD遺伝子(IT-15)に特有の変異があるかを調べます。必要に応じて、親のDNAも併せて検査し、遺伝的起源を確認します。
その他の診断手段
CT(コンピュータ断層撮影)は痛みのない検査で、脳の尾状核や被殻の萎縮、脳室拡大といった変化を画像で確認できます。ただし、CT単独では診断の決定的根拠にはなりません。MRI(磁気共鳴画像)やPET(陽電子放出断層撮影)もHDの診断補助として有用です。
