腸チフスとパラチフスの違い

腸チフス(Typhoid)とパラチフス(Paratyphoid)は、汚染された水が原因で起こる細菌感染症です。症状は似ていますが、重症度や予後に重要な違いがあります。腸チフスは命に関わる重篤な疾患になることがあり、パラチフスは一般的に軽症です。発展途上国へ旅行する際は、清潔な水を飲み、衛生管理を徹底して感染を予防しましょう。

原因

  • 腸チフスはサルモネラ・タイフィ(Salmonella Typhi)が原因で、パラチフスはサルモネラ・パラタイフィA、B、C(S. Paratyphi A/B/C)が原因です。どちらも人の糞便が飲料水や食材を汚染することで広がります。動物が直接感染源になることはありません。細菌は腸に侵入後、血流に乗って全身に拡散します。

罹患数と予後

  • 米国疾病予防管理センター(CDC)によると、世界では毎年約2200万件の腸チフスと600万件のパラチフスが報告されています。腸チフスによる死亡者は年間約20万人です。一方、パラチフスは大半が自然回復します。米国では年間約400件の腸チフス、150件のパラチフスが報告されており、ほとんどは感染が多い国への渡航歴があります。世界保健機関(WHO)は、下水処理が不十分で洪水が頻発する低開発国でこれらの疾患が特に多いと指摘しています。

症状

  • 両疾患の症状は似ていますが、パラチフスは軽度です。潜伏期間は1〜4週間で、初期は倦怠感が現れます。腸チフスでは3〜4日目から高熱(38.9〜40℃)が出るのに対し、パラチフスは低熱程度です。その他、頭痛、食欲不振、全身の疲労感がみられます。治療せずに放置すると、症状は最大で1か月続き、腸チフスの場合は腸出血のリスクがあります。いずれも抗生物質(主にシプロフロキサシン)で治療します。

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