アメーバ赤痢(Entamoeba histolytica)の生活史
アメーバ赤痢は、腸内寄生虫Entamoeba histolytica(エンテロメーバ・ヒストリティカ)によって引き起こされるアメーバ症の代表的な症状です。寄生虫は大腸に定着し、無症状のまま宿主に存在することもありますが、腸炎や赤痢、下痢などの症状を引き起こすことがあります。
分布
この感染症は世界中で見られますが、特に衛生環境が不十分な地域で多く報告されています。アフリカ、インド、南米、メキシコなどで発生率が高いです。
初感染
感染は、成熟したシストを含む糞便が付着した食物や水、調理器具などを口にしたときに起こります。シストは腸内で開裂し、トロフォゾイト(栄養体)となって大腸へ移動します。
増殖
大腸内でトロフォゾイトは二分裂により増殖し、同時に新たなシストも産生します。トロフォゾイトとシストは最終的に腸管を通過し、糞便とともに体外へ排出されます。
腸粘膜への侵入
一部のトロフォゾイトは腸粘膜を侵食し、血流に乗って肝臓や肺、脳など他の臓器へ移動することがあります。
環境中での汚染
糞便中に排出されたトロフォゾイトはすぐに死滅しますが、シストは外部環境でも長期間生存可能です。シストが食物や水、調理器具などを汚染し、次の宿主に感染させることで生活史が継続します。
