デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)の概要と治療法

デュシェンヌ型筋ジストロフィー(Duchenne Muscular Dystrophy、略称DMD)は、男性に約3,600〜6,000人に1人の頻度で発症する遺伝性疾患です。遺伝子変異によりジストロフィンという重要なタンパク質が作られず、時間とともに筋肉が徐々に萎縮し、力が低下していきます。

原因

DMDは母親のX染色体上の遺伝子変異が原因です。変異した遺伝子はジストロフィンを産生できず、男性胎児はこの欠損を受け継ぐと50%の確率で発症します。一方、同じ変異を受け継いだ女性は通常症状が現れないか、軽度の症状にとどまります。

症状

症状は主に2歳から3歳頃に現れます。まず体幹の筋力低下が見られ、次第に脚や腕へと広がります。階段の上り下り、走る、跳ぶ、座位から立ち上がるといった日常的な動作が困難になることが特徴です。

合併症

DMDは筋肉だけでなく心臓や肺にも影響を及ぼします。また、知的発達に遅れや学習障害が見られることもあります。

診断方法

診断は詳細な病歴聴取と身体検査に基づきます。血液検査でクレアチンキナーゼ(CK)値が著しく上昇していることが確認でき、これは筋肉破壊の指標です。必要に応じて筋生検を行い、ジストロフィンの欠損を直接確認します。

治療

現在の主な治療はステロイド(プレドニゾロンなど)の投与です。ステロイドは筋力低下の進行を遅らせます。背骨の変形には装具や重症例での手術が用いられ、関節拘縮は定期的な理学療法で予防します。脚用装具は立位や歩行を補助し、ビタミンDとカルシウムを豊富に含む食事は骨密度の維持に重要です。

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