成人男性の性腺機能低下症(アンドロポーズ)治療ガイド
性腺機能低下症(アンドロポーズ)は、体内のテストステロン産生が低下する状態で、女性の閉経に相当します。出生時に起こることもあれば、加齢に伴って発症することもあります。恥ずかしいと感じるかもしれませんが、テストステロンの正常な産生を回復させる治療法が存在します。
原因・症状
成人男性の性腺機能低下症は、一次性(精巣がテストステロンを産生できなくなる)と二次性(視床下部・下垂体の機能障害)の2タイプに分かれます。一次性は外傷や加齢、二次性は炎症性疾患、HIV、薬剤などが原因です。
主な症状は性機能障害、女性化乳房、骨粗鬆症、倦怠感、ほてり、集中力低下などです。これらの症状がある場合は、早めに医師の診察を受けましょう。
治療
治療の中心はホルモン補充療法です。テストステロンの低下が精巣由来の場合はテストステロン補充療法、下垂体機能不全が原因の場合は下垂体ホルモンの補充で精子産生を回復させます。腫瘍や下垂体の異常が原因の場合は手術や放射線治療が必要になることもあります。自然妊娠が困難な場合は、体外受精などの補助生殖技術が選択肢となります。
投与方法
テストステロンの投与方法は複数あり、医師と相談して最適な方法を選びます。
- 注射:筋肉内に月2回程度。医師のもとでも自宅でも実施可能。
- パッチ(Androderm):皮膚に貼付し、週1回交換。皮膚刺激のリスクがあります。
- ジェル:乾燥後に腹部・腕・肩に塗布。接触した他人にホルモンが移る可能性があるため、乾燥後は接触を避け、使用後は必ず手を洗います。
- 口腔内粘膜型(プッティー型):上唇と歯肉の接合部に貼付し、唾液で軟化させて吸収させます。
- 経口錠剤:経口投与ですが、肝障害やコレステロール上昇、心血管リスクがあるため慎重に検討されます。
副作用
テストステロン補充は概ね安全とされていますが、投与方法により副作用が異なります。注射やパッチは皮膚刺激、ジェルは他人へのホルモン移行、経口投与は肝機能障害や脂質異常、心血管リスクが報告されています。副作用が疑われる場合は速やかに医師に相談してください。
成人男性と思春期男子の違い
成人男性の治療は主に性機能の回復と妊孕力の改善を目的とし、勃起不全や性欲低下、精子産生の回復に重点を置きます。一方、思春期男子へのホルモン補充は、第二次性徴の発現(体毛、筋肉、陰茎の成長)を促し、正常な身体発達を支えることが目的です。
