小児の無嗅症(嗅覚喪失)

無嗅症(anosmia)は、嗅覚が完全に失われる状態です。米国では約1〜2%の人がこの稀な症状を経験しています。小児では多くの場合、一時的な問題として現れますが、生まれつき嗅覚を持たない子どももいます。

一時的な原因

子どもの無嗅症が一時的である場合、主に以下の要因が考えられます。

  • ウイルスや細菌感染による鼻粘膜の腫れ
  • 鼻腔内に異物(小さな玩具や食べ物のかけらなど)が詰まること

永続的な無嗅症

永続的に嗅覚が失われるケースは次のような原因が関与します。

  • 頭部外傷や外科的手術により嗅神経が損傷した場合
  • 脳腫瘍や神経変性疾患、精神的障害
  • 先天的(遺伝性)無嗅症

無嗅症がもたらす影響

嗅覚は味覚と密接に関係しているため、無嗅症の子どもは食欲が低下しやすく、結果として栄養不良や体重減少につながることがあります。また、腐敗した食べ物や煙、ガス漏れなどの危険を感知できないため、安全面でもリスクが高まります。

診断方法

カリフォルニア大学サンディエゴ校の鼻機能クリニックでは、簡易的な「アルコール嗅覚テスト」を実施しています。子どもにイソプロピルアルコールを染み込ませた綿棒を嗅がせ、嗅覚の有無を確認します。

治療と経過観察

一時的な無嗅症は、感染症の治療や異物除去が完了すれば自然に回復します。外傷による無嗅症は、症状が1年以上改善しない場合は永久的とみなされます。

亜鉛含有鼻スプレーに関する注意喚起

2009年6月、米食品医薬品局(FDA)は、亜鉛を含む一部の鼻スプレーやスワブが無嗅症を引き起こすとの報告(130件)を受け、使用中止を勧告しました。対象製品の一つに、子供用サイズのZicam鼻スワブが含まれていました。

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