静脈内療法の合併症と対処法

入院患者が薬剤の投与や体液補給が必要な場合、静脈内(IV)療法が行われます。電解質溶液や輸血、各種薬剤を静脈に直接注入し、治癒を助けますが、感染や薬剤過敏症などのリスクも伴います。

静脈炎(Phlebitis)

カテーテル挿入部位の血管が炎症を起こす状態です。針は体内に残らないものの、挿入部が赤く腫れ、温かくなることがあります。酸性やアルカリ性の薬剤投与時に起きやすく、数日で自然に改善しますが、部位を変えるか、細い針で再度穿刺することが推奨されます。

血栓性静脈炎(Thrombophlebitis)

静脈炎に加えて血栓が形成される状態です。小さな静脈にカテーテルを装着するため、致命的な血栓のリスクは低いものの、血管内に血塊が見えることがあります。イブプロフェンやアセトアミノフェンなどの鎮痛・抗炎症薬で対処し、症状が悪化すれば医師の診察が必要です。

浸潤(Infiltration)

IV液が血管外に漏れ出し、周囲組織に浸入することです。カテーテルの位置が不適切だったり、外れた場合に起こります。腫れ、痛み、かゆみ、灼熱感、皮膚の冷感や変色が見られます。発生したら直ちにカテーテルを抜き、患部を高く上げて安静にします。

血腫(Hematoma)

カテーテルが血管を傷つけた際に内部出血が起こり、血腫が形成されます。穿刺時や抜去時に起こりやすく、腫れたしこりとして現れますが、数時間から1日程度で自然に吸収されます。

神経損傷(Nerve Damage)

カテーテル挿入時に神経を誤って刺すと、鋭い痛みが腕全体に走ります。痛みとともに手や腕の筋力低下が見られることがあります。通常は1か月以内に回復しますが、症状が長引く場合は専門医の評価が必要です。

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