徐脈を引き起こす可能性のある筋弛緩薬
筋弛緩薬は筋緊張を低下させ、痙攣や疼痛を和らげるために使用されますが、いくつかは心拍数を低下させる「徐脈」を引き起こすことがあります。徐脈は1分間に60拍未満になる状態で、失神や倦怠感、胸部不快感、呼吸困難などを招く可能性があります。薬剤使用前に添付文書で副作用を確認することが重要です。
スキサメトニウム塩酸塩(Suxamethonium Chloride)
無臭の筋弛緩薬で、麻酔・集中治療・救急で全身麻痺が必要な際に使用されます。体重1kgあたり1.0〜1.5mgの静脈注射で1分以内に麻痺が起こり、子供の場合は2.0mgで即時に麻痺します。主な副作用は徐脈、筋肉痛、高血圧、最悪の場合心停止です。
モルヒネ硫酸塩(Morphine Sulfate)
筋弛緩薬としてだけでなく、強力な鎮痛・鎮静剤として静脈投与されます。徐脈に加え、吐き気、低血圧、呼吸抑制、嘔吐、便秘などが報告されています。
ミダゾラム(Midazolam)
救急や集中治療で使用されるベンゾジアゼピン系の筋弛緩薬です。麻酔薬、シメチジン、他の麻薬と併用する場合は投与量を25%減量すべきです。副作用は徐脈、呼吸抑制、低血圧です。
スキシニルコリン(Succinylcholine)
人工呼吸器使用時や手術中の全身麻痺に用いられる短時間作用型筋弛緩薬です。主な副作用は高血圧、筋肉痛、心停止に加え、稀に徐脈が見られます。
フェンタニル(Fentanyl)
強力な合成オピオイドで、鎮静・鎮痛目的で救急や集中治療に静脈投与されます。徐脈のほか、身体依存、胸部硬直、呼吸抑制が報告されています。
これらの薬剤は適切な管理とモニタリングが不可欠です。医療従事者は心拍数や血圧の変化に注意し、必要に応じて対処薬を用意しておくことが求められます。
