多発性硬化症に対するシクロホスファミド治療
シクロホスファミドは主に化学療法薬として使用されますが、まれに多発性硬化症(MS)の症状緩和に用いられることがあります。
背景
シクロホスファミドをMSの治療に使用することは、米国食品医薬品局(FDA)による承認を得ていないオフラベル使用です。
作用機序
シクロホスファミドは免疫系の活動を抑制します。MS患者の神経線維損傷は免疫系の異常が原因と考えられるため、免疫抑制により症状が軽減される可能性があります。
専門家の見解
2007年にイタリア・ミラノのIstituto Nazionale Neurologico C. Bestaで実施された研究では、治療開始から18か月間は症状が改善したと報告されました。しかし、2年後にはシクロホスファミドを服用した患者と非服用患者の症状に差が見られなくなったとされています。
リスク
主な副作用は吐き気、嘔吐、脱毛です。加えて、リンパ腫や不妊、重度の膀胱感染、心不全、アレルギー反応、細菌・ウイルス・真菌感染のリスク増加が報告されています(米国国立医学図書館)。
留意点
胎児へのリスクがあるため、妊娠中のMS患者への使用は安全な代替療法がない場合に限られます。また、痛風、腎臓・肝臓疾患、腎結石、副腎摘出歴がある方は使用に注意が必要です(メイヨークリニック)。
