腓骨神経障害の治療
腓骨神経障害は、腓骨神経の機能障害で、筋肉の制御低下や筋緊張の喪失、最終的には筋萎縮を引き起こすことがあります。足下垂はこの神経損傷による代表的な症状です。糖尿病や栄養不良、長時間の脚の圧迫(いわゆるスリマー麻痺)も原因となります。
定義
腓骨神経は、体の下半身で最も大きい坐骨神経の枝の一つです。表在腓骨神経と深部腓骨神経の二本に分かれ、ふくらはぎ、足、足趾への運動と感覚を供給します。外傷に対して最も損傷しやすい神経でもあります。
損傷の原因
主な原因は膝の外傷や大腿部の坐骨神経損傷です。股関節の脱臼骨折や人工股関節置換術中の合併症もリスク要因です。足を組む習慣やビタミン欠乏も神経に圧迫を与え、障害を引き起こすことがあります。
治療法(保存的療法)
外傷以外の原因の場合、まずは保存的治療が行われます。神経への圧迫を避ける姿勢指導や、果物・野菜・タンパク質を含むバランスの取れた食事、特にビタミンB12のサプリメントが推奨されます。歩行補助として足首ブレースを使用することもあります。これらの対策で症状が改善することが多いです。
手術
保存的療法が効果を示さない場合は手術が検討されます。腓骨神経が通る腓骨トンネルを開放し、圧迫された神経を解放する手術です。局所的な筋膜切開(筋膜切除)により圧迫を除去し、術後は圧迫ドレッシングで固定します。
足下垂に対する新しいアプローチ
テキサス神経・麻痺研究所のNath医師は、大腿部や脊髄上部で起きた完全な腓骨神経損傷に対し、隣接する脛骨神経からの神経移植という新手術を提案しています。足下垂発症から6〜8か月以内に移植を行うことで、機能回復の可能性が高まります。
