トリコチロマニア(強迫的な髪引き)の概要と対処法
トリコチロマニアは、強迫的に髪を抜く衝動制御障害で、米国では約600万〜800万人が罹患しています。頭皮はもちろん、眉毛やまつ毛、体毛などあらゆる部位の毛が対象となりますが、最も多いのは頭皮です。
サイン
頭皮やその他の部位に不自然な抜け毛や薄毛が見られます。多くの場合、他人にも目立つほどのはげた部分があり、患者は恥ずかしさから説明や回避行動を取ります。社交的な場面を避ける傾向もあります。
症状
抜く衝動が強く、髪を引く前に緊張が高まります。その緊張が抜くことで解放され、すぐに安心感が得られます。多くの患者は他の精神疾患を併発せず、単独で衝動を抑えられない状態です。
薬物療法
精神科医が処方する薬剤は、抜毛衝動を完全に止めることは難しいものの、症状緩和に役立ちます。強迫性障害(OCD)と同様の抗精神病薬や抗うつ薬が用いられ、ストレス軽減にも効果があります。
心理療法
認知行動療法(CBT)が主に用いられ、衝動が生じた際の代替行動を学びます。また、抜毛衝動を引き起こすストレス要因を特定し、回避するスキルも身につきます。
治療上の留意点
トリコチロマニアは速効性の治癒法がなく、治療後も再発しやすいです。継続的な薬物・心理療法が重要です。女性に多く見られ、未治療の場合は自尊心の低下につながります。近年、アミノ酸サプリメントのN-アセチルシステイン(NAC)が衝動を減少させる効果が報告されています。
