肩の手術ガイド:診断・手術法・回復まで
肩の痛みは、理学療法で筋肉を強化すれば改善できることが多いですが、症状が重い場合は手術が必要になることがあります。肩関節は可動域が最も広く、加齢、過度の使用、外傷、日常の負担などが原因で怪我しやすく、腱炎、回旋筋板断裂、関節炎、関節不安定症などが主な疾患です。
痛みの原因を特定する
まずは家族歴や生活習慣を聞き取り、肩の可動域・関節安定性・筋力を評価します。医師は痛みの部位を特定し、必要に応じてX線、CT、MRI、関節鏡造影(造影剤注入後のX線)や超音波検査を行います。炎症性関節炎が疑われる場合は血液検査や関節液の解析も実施します。
関節鏡手術(Arthroscopic Surgery)
骨表面が粗くなっている場合や関節不安定が原因の痛みは、日帰りで行える関節鏡手術が適しています。小さな切開を数か所作り、細いカメラ(関節鏡)と光源を挿入し、モニターで関節内部を確認しながら研磨や修復を行います。主に骨面の平滑化、関節不安定の改善、回旋筋板断裂の修復が目的です。
開放手術(Open Surgery)
人工関節置換や大きな回旋筋板断裂の修復が必要な場合は開放手術を行います。大きめの切開で関節を直接確認し、損傷部位を修復します。関節の摩耗が進んでいる場合は、部分置換または全置換(ボールとソケット)を行い、金属合金やプラスチック製の人工関節を固定します。固定後は骨が人工関節に結合します。
回復(Recovery)
回復期間は手術の内容や患者の健康状態、リハビリの遵守度により異なりますが、概ね6か月程度です。関節鏡手術の場合は2か月程度で日常生活に戻れることもあります。回旋筋板断裂は腱の治癒が必要なため、手術方法に関わらず一定の固定期間が必要です。リハビリテーションと理学療法が回復の鍵となり、肩の可動域・筋力・柔軟性を維持・向上させるプログラムが組まれます。
凍結肩(Frozen Shoulder)
凍結肩(拘縮性関節包炎)は、肩関節の結合組織が炎症を起こし、関節包が硬くなる状態です。女性に多く、40歳以上で発症しやすいです。痛みとともに可動域が制限されます。通常は理学療法で1年以内に改善しますが、痛みが強い場合はアセトアミノフェンやNSAIDs、ステロイド注射が用いられます。症状が長引く場合は、関節鏡手術で瘢痕組織を除去することがあります。
