メンタルリハビリテーションと脳卒中後の回復

脳卒中により脳組織が損傷すると、身体の可動性が低下します。リハビリテーションの主目的は、失われた脳機能と運動能力をできるだけ回復させることです。その一環として注目されているのが「メンタルプラクティス(心的リハビリ)」です。

メンタルプラクティスとは

患者が安全な環境で、実際の動作を頭の中で繰り返しイメージする技法です。運動イメージとも呼ばれ、実際に身体を動かすときと同様の神経回路が活性化されます。米国心臓協会(AHA)は、メンタルプラクティスが運動学習とパフォーマンス向上に寄与すると報告しています。

主な効果

メンタルプラクティスは、脳卒中で活動が低下した部位への血流を改善し、神経細胞の活性化を促します。AHAのパイロットスタディでは、他の運動療法と併用した場合、従来の運動療法単独よりも回復効果が高いことが示されました。

具体的な影響

繰り返しイメージした動作は脳に永続的な印象を残し、脳が身体の部位を指令できる能力を再構築します。その結果、患者は自然かつ自動的に運動技能を使用できるようになります。

専門家の見解

米国心臓協会が実施したプラセボ対照試験では、メンタルプラクティスプログラムが慢性期脳卒中患者の腕の運動機能回復に臨床的に有意な効果をもたらすことが確認されました。

実施上の留意点

メイヨークリニックは、脳卒中後の回復は個人差が大きく、メンタルプラクティスの効果も患者ごとに異なると指摘しています。あくまで多様な治療の一つであり、身体的に重度の障害がある患者でも活用できるよう、支援ツールの開発が進められています。

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