甲状腺機能に影響を与える可能性のある疾患とは?
甲状腺の概要
甲状腺は首の前部、喉仏のすぐ下に位置し、代謝やエネルギー代謝、体内のホルモン利用を調節するホルモンを分泌します。甲状腺の機能が乱れると、過剰なホルモンが分泌される甲状腺機能亢進症(バセドウ病など)や、ホルモンが不足する甲状腺機能低下症が起こります。
甲状腺機能低下症(Hypothyroidism)
自己免疫性疾患や慢性炎症が原因で、甲状腺ホルモンの産生が低下することがあります。特に以下の疾患に伴う抗甲状腺抗体が関与します。
- 全身性エリテマトーデス(SLE)
- 糖尿病
- 関節リウマチ
- 全身性硬化症(スケローデルマ)
- 慢性肝炎
甲状腺機能亢進症(Hyperthyroidism)
代表的な原因は以下の通りです。
- バセドウ病(Graves disease)―甲状腺が過剰に刺激され、眼球突出(突眼)を伴うことがあります。
- 甲状腺炎(Thyroiditis)―炎症により一時的にホルモンが過剰に放出されます。
- アミオダロンなどの特定の処方薬―甲状腺機能を刺激し、亢進症を引き起こすことがあります。
甲状腺機能低下症の主な症状
- 極度の倦怠感・寒冷不耐症
- 便秘、手根管症候群(手首の痛み)
- 食欲低下・体重増加
- 脱毛、乾燥肌、声がかすれる
- 思考力低下、うつ状態、月経不順
甲状腺機能亢進症の主な症状
- 震え、寝つきが悪い(不眠)
- 暑がり、頻繁な下痢、体重減少
- 大量の発汗、月経不順
- 関節痛、眼球突出、集中力低下
妊娠期の甲状腺機能障害への配慮
妊娠中は甲状腺機能障害が起こりやすく、疲労感や体重増加などの症状が妊娠特有の変化と混同しやすいです。出産後3〜6か月以内に甲状腺機能が乱れることもあります。妊娠・産後の甲状腺機能は、母体と胎児の健康に重要なため、適切な検査と管理が必要です。
