小児の甲状腺機能低下症が引き起こす主な合併症
甲状腺疾患は成人に多く見られますが、子どもでも甲状腺機能が低下(甲状腺機能低下症)することがあります。甲状腺は体全体の代謝や成長に関与しているため、機能低下はさまざまな合併症を引き起こします。適切な甲状腺ホルモン補充により、多くの症状は予防・改善できます。
認知機能低下
甲状腺機能が低下した子どもは、IQが低く脳の活動が低下しがちです。その結果、発達のマイルストーンが遅れ、学習や記憶に影響が出ます。甲状腺ホルモン補充療法は脳へのダメージを防ぎ、正常な発達を支援します。
成長遅延
甲状腺は下垂体と密接に連携しており、下垂体が分泌する成長ホルモンの働きを助けます。甲状腺機能低下はこの連携を乱し、身長や体格の伸びが遅くなります。結果として、同年齢の子どもより1〜2歳分小さく見えることがあります。
歯の脱落遅延
甲状腺機能低下症の子どもは、乳歯が通常より長く残ります。多くの子どもが永久歯に生え変わる時期でも、乳歯が抜けにくくなるため、見た目の違いに気付くことがあります。歯の健康自体への影響は少ないものの、本人が「自分だけ違う」と感じる心理的負担が生じることがあります。
注意力低下
注意力が散漫になることも甲状腺機能低下の特徴です。しばしばADHD(注意欠陥多動性障害)と誤診され、不要な刺激薬が処方されるリスクがあります。ADHDの治療を始める前に、必ず甲状腺機能検査を受けることが重要です。
多動性
多動性も甲状腺機能低下症の子どもで見られ、ADHDと混同されやすい症状です。多動は不安や糖尿病、ビタミン欠乏などでも起こりますが、他の甲状腺症状と併存している場合は、甲状腺機能低下が原因である可能性が高いです。
