ヘリコバクター・ピロリとは?

ヘリコバクター・ピロリ(H. pylori)は、胃や小腸の粘膜を侵す細菌で、胃潰瘍や十二指腸潰瘍の主要な原因とされています。米国では40歳未満の約20%、60歳以上では約半数が感染していると推定されていますが、多くは症状が出ません。

感染経路

ピロリは唾液中にも存在し、キスなどの接触で感染する可能性がありますが、主な感染経路は汚染された食物や水です。胃酸の強い環境でも、細菌は分泌する酵素で酸を中和し、生存・増殖します。

潰瘍の形成

ピロリは胃酸に耐えながら、胃や十二指腸の保護層を徐々に侵食します。保護層が失われると、粘膜が直接酸にさらされ、潰瘍が発生します。かつてはストレスや食事が原因と考えられていましたが、現在は細菌感染が最も重要な因子とされています。

主な症状

腹部の鈍い痛みや、空腹時に悪化する胃痛が典型的です。症状は数週間にわたり間欠的に現れ、夜間に強くなることが多いです。食事や制酸剤で一時的に緩和されます。

診断方法

血液検査、呼気テスト、便検査、内視鏡による組織検査などが行われます。血液検査は抗体の有無を調べる最も一般的な方法です。重症例では内視鏡で粘膜の生検を取り、培養することもあります。

治療

ピロリ除去には抗生物質と胃酸分泌抑制薬の併用が標準です。H2ブロッカーやプロトンポンプ阻害薬(PPI)で胃酸を低下させ、粘膜の修復を促しながら細菌を死滅させます。治療により潰瘍は徐々に治癒します。

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